各国のミュージシャンが語る<新型コロナ・ウィルス対策>の現状
各国・地域のコロナ渦における状況をミュージシャンに聞く特別ショート・インタビュー。その第2弾は、デンマークのティム・クリステンセン(ディジー・ミズ・リジー)だ。統制の取れた対応で比較的早い回復も聞かれる同国の実状とは? ※取材は4月23日
通訳:トミー・モーリー
時間をかけて、秋頃までに
もとに戻ることを祈るのみだ。
——現在はデンマークですよね? 街の様子はいかがでしょうか?
まったくの別世界だよ。ロック・ダウン状態だけど、ソーシャル・ディスタンシングを守り、毎回しっかりと手洗いをしていれば外に出ることも許されている。とはいえ少しずつ適切な方向に向かっているけれど、難しくもある。集団になることが許されるまでは、まだ数ヵ月はかかるだろう。ライヴなんてのはまだ先の話だけど、一日も早く正常化して普段の生活を取り戻したい気分だよ。
——日本にも、デンマークはひと足先に日常に近付いていると聞こえてきました。どういった点が功を奏していると思いますか?
それはいい質問だ。どう対応すべきか正解がわからない事態なので、過ちを犯す人もいるものだよ。僕らの政府は女性の首相(※メッテ・フレデリクセン首相)によって指揮されていて、国民が安心していられるようにしっかりと対処できている。僕らも彼女をリスペクトして、規律を守って行動するというサイクルが好転に向かわせているんじゃないかな?
——楽観的に捉えている人たちでさえも、音楽産業はあと数ヵ月での再開は難しく、秋頃から動き出すのではと推測する声も上がっています。そんな国のあなたたちでさえ、すぐにライヴ活動が再開できるような状態にはないのでは? ましてや国外で公演を行なうというのは、なかなかに現実的ではないように感じます。
まったくの同感だし、状況は日々変わっているから先が全然読めないよ。デンマークではコンサートはもちろん、集会をすることも9月まで禁じられている。秋頃まで時間をかけてもとに戻ることを祈るのみだね。僕らも『オルター・エコー』を引っ提げてファンと触れ合いたいと思っているところだからさ。
——本来は4月に1公演予定されていましたが、これはあくまでも特別なプロモーション・ライヴとも言えます。本格的なジャパン・ツアーも計画はされているようですが……。
計画があったというのは知っているけど、それはまだオフィシャルにはなっていないはずだね。確かに今回の公演はプロモーションも兼ねてレーベルが計画してくれたもので、日本のファンに向けた特別なものとなる予定だった。残念ながらこういう状況なので実現しなかったけど、僕らは日本が大好きだし戻りたいと思っている。だって前回の来日から4年ぶりなんて長過ぎるだろう?
——それを中止にさせないためにも、我々も対コロナを徹底して待っていたいと思います。
イエス! そのとおりだよ。今回の訪日中止は、僕らとしてもとても残念な気持ちだよ。でも絶対にそっちに戻るし、みんな安全に過ごしてほしい。すべてが済んだらぜひまた会おう。僕らは君たち全員を恋しく思っているよ!
◇インタビューの本篇は、6月発売予定の『メタルハマー・ジャパンVol.2』にて!