METAL HAMMER JAPAN

METAL HAMMER JAPAN 編集部ブログ

ビル・スティアー/カーカス

各国のミュージシャンが語る<新型コロナ・ウィルス対策>の現状

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メタル・ミュージシャンに世界のコロナ事情を聴くインタビュー、その第9弾は“リヴァプールの残虐王”カーカスより、ビル・スティアーの登場だ。10月には最新EPをリリースし、フル・アルバムも完成済みという彼らだが、やはりコロナの影響によってリリース時期はまだ未定であるという。そんな彼がロンドンの状況をレポート。12月16日発売の『METAL HAMMER JAPAN Vol.4』では、ビルが自身が持つ“ヘヴィ・サウンドの流儀”について語ってくれている。お楽しみに!

通訳:トミー・モーリー 写真:野田雅之

※インタビューの本篇は、12月16日発売の『メタルハマー・ジャパンVol.4』にて

 

ストリーミング配信をすることが正しいこととは、まったく感じないんだ。

可能なら、やりたくないと思っている(笑)。

 

―率直に、お住まい地域の状況は?

 俺はもう何年もイースト・ロンドンに住んでいて。普段の生活に戻ったとは言えないけど、ゴタゴタしていた状態は落ち着いたね。ちょっと前までのロンドンはずっとゴースト・タウンみたいな状態が続いていて、通りを歩いてみても誰にも会わないような日々だったから。普段は渋滞しているような道路も、車がまったく通らないくらいでね。ロンドン中央部のソーホー地区なんかを1時間歩いても、数名程度しかすれ違わないような状態だったんだ。あまりにも人がいなさ過ぎて、魔法にかけられたような気分になったよ。こんなにも街が静かになるなんて、初めての経験だったからさ。

―それが、幾分か緩和されているという感じですか。

 昔ほどではないけど車の往来も増えてきて、人々も少しずつ街を歩くようになったね。そしてちょっとヘンだと思うような規制がいくつか敷かれるようになった。市民も半分は受け入れつつ、半分は争っているような状況だ。とにかく奇妙な街になってしまったという印象だよ。むしろ日本は今、どういう状態なんだ?

―首都圏の話になりますが、やはりピーク時に比べると、外出などに関してはかなり以前に近い状態に戻ったという印象ですね。言われたとおりにするのが日本人の国民性でもあって、マスク着用や非外出など、それなりに守れたのが功を奏したのかもしれません。ロンドンの話に戻って、地域、国家、ボリス・ジョンソン首相などの対応は妥当であったと感じますか?

 そう言い切るのは難しいかな(笑)。だってこんな状況を誰も過去に経験したことがないんだから。俺らに限らず、どの国の政府だって過ちは犯すものだ。だから容赦ない政府への批判というのは、俺はあまりしたいとは思わない。今はそういったことを言える段階にはまだいないと思うんだ。むしろ現在の状況をうまく扱える人がいるなら、ぜひ教えてほしいと思うぐらいだね。ほかに打つ手がなく、現状に落ち着いてしまったくらいに思っているよ。

—確かにそうですよね。

 とは言え、俺みたいに考えていた人間でも最近になって政府を批判し始めてきていて、それは指針がブレ始めて言うことが二転三転してきたからというのがある。こうした状況が続くと、我慢ならないという心情もさすがに理解できるけど。俺だっていくつかの決定には疑問感じるし、タイミング的にも今じゃないだろう!と思うこともたくさんあるから。

―カーカスは、配信ライヴをするというイメージのバンドではありません。100%規模で活動ができるようになるまで、どのような展開をしていこうと考えますか?

 正直なところ、全然わからないや(苦笑)。バンドとしてもしっかりと何かを話したわけではないけど、ひとつ明確なことがある。君が言うような、どこかのスタジオをセットアップしてライヴをストリーミング配信するみたいなことに対して、ジェフ(ウォーカー)はとても難色を示していて、俺も彼に賛同している。

―そうでしょうね(笑)。

 それが正しいこととはまったく感じないんだ。可能ならやりたくないと思っている(笑)。絶対に未来永劫やらないとは言わないし、何か特別な形で頼まれればやることになるかもしれない。しかし今のところはその必要性を感じていないさ。

―ファンも、観たいような観たくないような……という感じなのでは。

 結局はそれを不快に思わずやれるかっていうことがポイントだと思う。多くのバンドは快適にやれているから実現しているだろうけど、俺らはほかのバンドと感覚が同じではないということだろうね。

※インタビューの本篇は、12月16日発売の『メタルハマー・ジャパンVol.4』にて

 

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各国のミュージシャンが語る<新型コロナ・ウィルス対策>の現状シリーズ

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