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METAL HAMMER JAPAN 編集部ブログ

カイ・ハンセン/ハロウィン

各国のミュージシャンが語る<新型コロナ・ウィルス対策>の現状

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メタル・ミュージシャンに世界のコロナ事情を聞くインタビュー。その第10弾は、初の7人編成アルバムのリリースも決定しているハロウィンのカイ・ハンセンが登場。ドイツでのコロナ対策の状況、そして現在もうひとつの拠点であるスロバキアにおける音楽作業についても語ってくれた。

通訳:トミー・モーリー

 

※インタビューの本篇は、『メタルハマー・ジャパンVol.5』にて!

※インタビューでの状況は、1月末取材時の内容となります。

 

こんな状況にも関わらず、レコーディングやバンド活動のすべては問題なく進められたよ。

―2021年になった今も、なかなかコロナ・ウィルスは収まる気配がありません。ドイツでは、全国封鎖が再延長されることになりそうですね。
 この1年間、俺らはずっと政府によって規制されてばかりだ。この状況がすぐに収まるわけもなく、ロックダウンは延長されて規制もさらに厳しくなった。個人的には、これで状況が良くなっているとは思えないな。


―ですね。
 もちろん感染者の数字は少しずつ減ってはきているんで、ある程度の効果はあるのかもしれないが、やっぱりそれは微々たるものなんじゃないかと思っている。さらに困っているのは、誰も有効な情報を持っていないってことだ。今回のこの件に関しては多くの意見や情報が錯綜していて、誰もが違ったことを言っている。


―そのために、なにが有効なのかわかりづらくもなりますよね。
 俺らはどうしたらいいのかわからないし、おそらく政府のほうもどすればいいかわかってないんだろう(笑)。しかしはっきりと言えるのは、状況がかなり悪くなっているということだ。とにかく俺はハッピーとは程遠い状況にいるよ。


―ただ、そういった対処も、ドイツはしっかりしているという印象があります。メルケル首相を筆頭に、ドイツ政府の対応についてはどう感じますか?
 彼女はあまりにも長く首相を続けてきたとこともあり、疲れきっている。もちろん国のリーダーとして的確な判断をして勤めあげてきた時期もあったけど、彼女はもう求心力や影響力を失い始めている気がするよ。俺の個人的な意見ではあるけど、新しい風を導入したほうがいいと思うんだ。ドイツ国内では何かが進んでいるような状況じゃないしね。


―各規制によって、一般生活での不自由も大きいですか?
 基本的に普段のドイツに不自由さはないかな。自由に行動することができるとは思っていて、どこに行ったってかまわないし何を言ったって問題はないよ。誰かに何かを抑圧されるといった状況ではないんだ。“あいつは左翼だ”とか“右翼だ!”というレッテルを貼る行為って、むしろ言っているソイツ自身がやっていることが多いだろ? もちろんそれを政府からなされることはない。だからデモクラシーの自由としてはまずまずの時代を過ごしてはいる。ただ、今だけは例外だね。そういった判断がキチンとできるときではない。まるでみんな囚人になったような気分でもあるよ。


―ミュージシャンとしての活動となると、やはり、できることは作曲作業ということが主となってしまう?
 知っている人もいるかもしれないけど、俺はスロバキアの女性と結婚したので、実はスロバキアに住んでいるんだよね。ただハンブルグには息子が住んでいるし、生活の拠点としている場所もいくらかは残しているので、常にこっちとハンブルグの間を往来していて。今のスロバキアはあいにく雪景色だけど、俺の住んでいるところは緑が豊かで、馬が庭を走り回っているし、昔鳥小屋として使っていた場所をスタジオに作り変えて作業をしているんだ。作曲やレコーディングもこっちで問題なくやれているし、むしろほかにやれることというのがほとんどない状況だ。いつの日かアルバムに収まるだろうデモをひたすら録音しているよ。


―なるほど。ただし、いろいろな点から、メンバーやスタッフとの共同作業はまだしづらい状況ではあるのかと。
 ハロウィンのメンバーはいろいろなところに散らばっているから、そもそもレコーディングが終わってしまうと会うことはほぼないんだ。たまにハンブルグにいるときは(マイケル)キスクやマーカス(グロスコフ)と会うけど、長らく音楽を作り続けたバンドともなると、アルバムを作り終えたらしばらくは会わないというのが実は当たり前でもあってさ。


―それぞれ家庭もあり、プロのバンドとしてそれは当然とも言えますね。
 ツアーに出ればみんなで遊びに行くし、リハーサルやミーティングもあったりと常に一緒にいるものだから、その反動でプライベートな時間となるとほぼ会うことはないんだよ(笑)。次のアルバムに関するレコーディングやプリプロダクションはもうすでに終わっていて、最終段階の作業となる俺のギター・ソロもここ(スロバキアの自宅)で録音したし、各自が別々の場所にいても問題なく作業できている。プロダクションの最初の段階はもちろん可能な限りみんなで集まるようにしているけれど、今のこんな状況にも関わらず、レコーディングやバンドの活動はすべて問題なく進められたよ。

 

※インタビューの本篇は、『メタルハマー・ジャパンVol.5』にて

 
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各国のミュージシャンが語る<新型コロナ・ウィルス対策>の現状シリーズ

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