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METAL HAMMER JAPAN 編集部ブログ

KOBAMETALインタビュー/『鋼鉄っぽいのが好き』上梓記念

鋼鉄の文豪となったKOBAMETAL
新刊からBABYMETALの今後は見えてくる……か!?

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 9月2日に発売した『10 BABYMETAL LEGENDS』に続き、著書二作目となる『鋼鉄(メタル)っぽいのが好き -人生9割メタルで解決-』を上梓したKOBAMETAL。短期間でヘヴィメタルにまつわる書籍を連投するなど、BABYMETALの“LEGENDの封印”が告げられてからも、まだまだ忙しい日々を送っているようだ。
 今回は件の新著『鋼鉄っぽいのが好き〜』執筆にまつわる話を聞きにいったのだが、そこでは今後のBABYMETALの活動を示唆するような発言も……!?

 

ワタクシは<柔軟な頭を持って、バランスを大切に>という思考なので。 

 短期間で“メタル”をテーマにした著書を連投したKOBAMETAL。ただ『10 BABYMETAL LEGENDS』はBABYMETALの10年間のLEGENDをプロデューサーとして捉えた一冊で、当新刊『鋼鉄っぽいのが好き〜』は砕けた文体も含め“BABYMETALファン”、“メタル・ヘッズ”以外にも楽しめる一冊と言えそうだ。ズバリ、本書のセールス・ポイントとは?

 “タイトルが『鋼鉄っぽいのが好き -人生9割メタルで解決-』ということで、<メタル100%>じゃないというところかポイントかなと思っていて。よく<強いメタルのハート>と言うんですけど、そういった強い心を持ちながらも、ワタクシは<柔軟な頭を持って、バランスを大切に>という思考なので、この本ではそういうところが書かれていますね”

 そもそも本書は[ダ・ヴィンチニュース]にて連載されていた「KOBAMETAL メタルハートで常識を覆せ! メタルか? メタルじゃないか?」がベースになっており、そこに倍以上の新稿を加えた構成になっている。

 “去年の12月から今年の7月までにかけて、隔週で連載していたものにプラスして、倍の新規原稿を入れている感じです”

 各項のテーマは多岐にわたるため、前述のように<メタルに詳しくないと楽しめない>という類の書籍ではない。実際に<スポーツ>や<料理>、<恋愛>など、さまざまな話題で話を進める本書ではあるが、KOBAMETAL的な読みどころについては……“《後書き》がお薦め。お忙しい方のためにすべてのメッセージが込められています。なので、ぜひ後書きを読んでいただきたい!”とのこと(笑)。ただ、やはり後書きは本篇ののち、最後に読みたいところ……かも?

 この10年、唯一無二の活動を見せてきたBABYMETAL&KOBAMETALだが、この<人生9割メタルで解決>という副題からは、<強いメタルのハート>を持っていたからこそ、これまであったであろう難題もクリアできたのか……という想像もしてしまう。

 “今は時代の流れも早いですし、世の中にはいろいろな情報が溢れているじゃないですか。そのなかで流行に惑わされそうになったときに、やっぱり<自分が何を一番大事にしているのか>という、自分のなかにひとつ軸があるのはすごく良かったなと思っています”

 KOBAMETALであれば<メタルである>という指針を自分のなかに持っていたことで、物事に対してブレずに対峙することができ、その結果、滞りなくことを進められたということだろう。もちろんこれは音楽業界に特化した話ではなく、多くの社会人・学生にも当てはめて考えられる。

 “そうだと思うんですよね。例えば会社でお仕事をされている方でも、なかなか意見が通らなかったりとか、いろんなことがあると思うんです。でも自分を信じることはすごく大事だと思いますし、人任せにしすぎても結果的にあまりうまくいかないところがあったりもする。そんなときでも、自分のなかにひとつ芯を持っているといいんじゃないかな。ただ、この本はあまり真面目な内容でもないなので……半分半分くらいがちょうどいいんじゃないですか(笑)”

 

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<叩き>を乗り越えることで、次のレジェンドになっていく。

 さて、新刊の話を聞く今回のミニ・インタビューだったが、やはりBABYMETALについての話題も飛んでくる。“「ド・キ・ド・キ☆モーニング」でメタルとJ-POPを融合させたとき、一般のメタル・ファンに嫌悪されるか心配はなかったか?”という質問には……。

 “それも想定済みと言いますか、逆に怒られるくらいがいいのかなという感じでやっていました。やっぱりメタルって、新しいものが出てくるとすごく叩かれる……伝統を重んじる音楽ジャンルなんです。でも、そこに異端児みたいな人が出てきて、その<叩き>を乗り越えることで次のスタンダード、レジェンドになっていくということが、メタル界では脈々とありましたよね。それこそメタリカでもスリップノットでも、新しく出てくる度に<こんなのメタルじゃない>って言われて、でもそういう人たちのほうが実は長く生き残っているという歴史がある。だから<そう言われれば言われるほど、いいかな>とも思っていました”

 ほかにも、“この10年を振り返って<メタルだな>と思う活動をひとつ挙げると?”という質問に対しては“以前もお話ししたことがあるんですけど、<BABYMETAL>という名前が降りてきたときですね”と回答。ただ、BABYMETALの活動は根本的にそのすべてがメタルに通ずるものであるので、これはなかなかに答えづらい質問だったかもしれない。

 最後は、BABYMETALの10年間のLEGENDが封印される今の心境を紹介しよう。

 “予定どおり、粛々と進んでいるかなというところです。ただ、10年あっという間だったなと思います。こういう大変な世の中でも10周年イヤーというものが予定どおり……日本武道館のライヴも延期や中止になることなく、本当に皆さんのご協力のもとに完遂できたのが非常にうれしい。それはメンバー、スタッフ、ファンの方も同じ気持ちだと思います。『10 BABYMETAL BUDOKAN』という映像作品には10周年の集大成が詰まっていますので、ぜひそちらもご覧でいただきたいです”

 2冊の著書、そして最新映像作品『10 BABYMETAL BUDOKAN』を読み・観ることで、今後の彼女たちの活動のヒントが見えてくるかも!?

 

◎メタルのハートで常識を覆す著書が発売中!

『鋼鉄(メタル)っぽいのが好き -人生9割メタルで解決-』

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○KOBAMETAL・著
○1,540円(税込み)

 

 

◎結成10周年の集大成映像作品が発売中!

『10 BABYMETAL BUDOKAN』

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トイズファクトリー/TFXQ-78193〜78194、TFXQ-78195、TFBQ-18237

 

 

◎BABYMETAL10年の活動を、イギリス目線で切り取った《10 YEARS OF BABYMETAL IN UK〜英国が見た彼女たちの10年》を収録!

『METAL HAMMER JAPAN Vol.7』 

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 先日、キツネ様のお告げにより、来る10月10日を持って10年間に及ぶLEGEND=ライヴが“封印”されたBABYMETAL。そんな彼女たちの第二の故郷とも言えるのが、“ウェンブリー”や“ソニスフィア”といったエポックメイキング的公演を行なった英国だ。同地にて、彼女たちの10年はどう映っていたのだろうか? ロブ・ハルフォードを筆頭としたトップ・メタル・ミュージシャンから、英国レーベルやフェス運営関係者まで、我々日本人とはまた違った視点で見たBABYMETALの活躍と真価。

◆スペシャル・インタビュー
⚫︎ロブ・ハルフォード
⚫︎ハーマン・リ