驚異的なホラー愛好者が
奇抜な質問をスプラッターな回答で一刀両断!
激しいポスト・ハードコア・サウンドを放つアイス・ナイン・キルスを知っているだろうか。このバンドを率いる“チーフ・グール”スペンサー・チャーナスは、大のホラー好きとして有名。今回はそんな彼が、そのプロ並びの膨大なホラー知識で、奇抜な質問をスプラッターな回答で一刀両断!
Interpretation by Mirai Kawashima
傘を男に差し込んで開くとか、
興味深い殺人方法がたくさん出てくる。
驚異的なホラー愛好者であるスペンサー・チャーナスは、読者からの奇天烈な質問にもびくともしない。インタビュー前にニヤリと笑顔を見せた彼は、それから数時間、実に楽しそうにB級スラッシャー映画について語ったのだった。『ウェインズ・ワールド2』から『ア・フュー・グッドメン』に至るまで、名作映画のセリフを引用し、そして狂人のように......と言うか彼は確実に狂人なのだが......カニバリズムや世界規模のパージ(殺人をしてもいい世界を描いた映画『パージ』への言及)といった、とてつもなく残酷な想像にふけるのだった……。
—マイケル・マイヤーズ、ジェイソン・ボーヒーズ、フレディ・クルーガー。これらのホラー映画の悪役たちに順位をつけるとしたら? またホラー界のビッグ4を決めるとしたら、4人目は誰?
俺としてはジェイソンとマイケルはある意味つながっている。なぜって、マイケルがいなかったらジェイソンも存在しないってことは明白だからね。マイケルは創始者だけど、俺にとってはふたりとも1位だね。その次がフレディ・クルーガー。スラッシャーの典型であるシンプルさがありながら、もっとスーパーナチュラルっぽいものに変えられているからさ。
4人目は『スクリーム』のゴーストフェイスかな。ヤツはこれらのキャラクターを本当にリスペクトしているし影響も受けているから、これですべてがつながるよ。
—カーク・ハメットかロブ・ゾンビに、“一緒に映画を観よう”と自宅に招かれたことは?
それはないが、ぜひ行きたいね! もし彼らがこれを読んでいるなら、俺の電話番号も書いておかなくちゃな(笑)!
それで『悪魔のサンタクロース2』を観るんだ。これはイマイチ知られていないスラッシャー映画だけど、傘を男に差し込んで開くとか、興味深い殺人方法がたくさん出てくる。本当におもしろいよ。
—もともとはカバー・バンドとしてスタートしているアイス・ナイン・キルスですが、一番できが良かった、もしくは最悪だったカバーは?
パンク/スカの曲はどれもうまくいったよ。ゴールドフィンガーの「Here in Your Bedroom』は本当にうまくやったよ。
ダメだったのは、Dr. Dreの「Forgot About Dre」のカバー。やろうとしていたけど、台なしにしてしまった。本当に素晴らしい曲だから、残念だね。俺たちには合わなかったんだ。あの時代のヒップホップが本当に懐かしいな。あのときは黄金時代だよ。最近のヒップホップにはどうもハマれなくて。
—ミュージシャンではなかったら、どんな仕事をしていると思いますか?
アンダーテイカーだろうね。プロレスのアンダーテイカーじゃないぜ。
実際の葬儀屋で、俺は素晴らしい仕事ぶりを見せるだろう。ホラー映画やホラー音楽の仕事をやれないなら、少なくとも死体と関わる仕事がしたいんだ。
—あなたの映画を作るとしたら、あなた役は誰?
『スクリーム』、『ザ・クラフト』、『リバーデイル』のスキート・ウールリッチに演じてもらいたいな。彼は最高の俳優だし、存在感も素晴らしい。
8月にマサチューセッツのセイラム郊外で[シルバー・スクリーム・コン/Silver Scream Con]というコンベンションをやったんだけど、彼も来てくれるというから、本当にエキサイトしているんだ。伝記映画の件を話さないとな。彼は俺よりも少し年上だから、5年後の俺を演じられるよ。
—他人にはできない、スペンサー・チャーナスだけができることとは?
ほかの奴らと違って、俺はいくつもの映画のセリフを言えるんだ。ホラーだけじゃなくてね。
トム・クルーズとジャック・ニコルソンの法廷ドラマ『ア・フュー・グッドメン』のラスト・シーンをまるまる言えるよ。知ってるだろ? [You can't handle the truth!(真実はお前の手には負えないぞ!)]ってやつ。本当にすごい映画なのさ。アーロン・ソーキンが脚本を手がけたから、セリフのかけ合いがあんなにスゴいんだな。
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