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METAL HAMMER JAPAN 編集部ブログ

《全曲ガイド》メタリカ『72シーズンズ』

【メタリカ】ニュー・アルバム『72シーズンズ』発売記念
“METAL HAMMER的”アルバム全曲ガイド

 ついに発売となった約6年ぶりとなる11thアルバム『72シーズンズ』。全12曲・77分を超える濃厚な内容となった。そこで今回は、英[METAL HAMMER]でのメタリカ特集ページより、全曲レビューを紹介! それぞれカギとなる歌詞の一節もピックアップしているので、ぜひアルバムとともに読んでみてほしい。
 そして、ラーズ&ロバートのインタビューも近日公開予定。お楽しみに!

Word by Dave Everley
Interpretation by Mirai Kawashima

 

 

1.「72 Seasons/72シーズンズ 」
 タイトル曲は、メタリカのアルバムのオープニング・トラックとして王道と言えるナンバーだ。マシンガン・ドラム、耳をつんざくリフ、短いスタッカートの節を吐き出すジェイムズ・ヘットフィールド。メロディとふたつの最高なソロの爆発で緩急をつけた容赦ないスラッシュ・ソングであり、アルバム・カバーに登場する焦げた物体に命を吹き込んでいく。

▼キーとなる歌詞▼
‘Wrath of man / Thrive upon / Feeding on / 72 seasons gone’
(人の怒り/過ぎ去った72の季節を/食らいながら/大きくなる)

 

2.「Shadows Follow/シャドウズ・フォロー」
 非常に信頼されている狼のイメージに大きく依拠しながら、ジェイムズが若者の苦痛を59歳の精神を通じて濾過するとき、彼の咆哮は繰り返される鋸歯のナイフのようなリフと対決する。

▼キーとなる歌詞▼
‘On I run, still my shadows follow’
(俺は走り続けるが、今も影はついてくる)

 

3.「Screaming Suicide/スクリーミング・スーサイド」
 カークによる大きくゆっくりとしたワウで始まる本アルバムの2ndシングル。そしてジェイムズは、センシティブなテーマを取り巻く感情を、必要以上に美化せず、そしてセンセーショナルにすることもなく明確に表現し、タブーを吹っ飛ばす歌詞を吐き出す。

▼キーとなる歌詞▼
‘Keep me inside / My name is suicide’
(俺を胸のうちにしまっておいてくれ/俺の名は自殺)

 

4.「Sleepwalk My Life Away/スリープウォーク・マイ・ライフ・アウェイ」
 激しく突き刺すようなベース・ラインと鎌のように鋭いリフが、現実の悪夢を描いたこの歌詞を導く。ミドル・テンポのグルーヴ、壮大なサビ、そして濃密な重力を持つこの曲は、『メタリカ』に収録されていても違和感はないだろう。

▼キーとなる歌詞▼
Take a deep waking breath / Hope the blood arrives’
(目覚めの深呼吸をしろ/血が届くことを期待しろ)

 

5.「You Must Burn!/ユー・マスト・バーン!」
 非常に重厚なリズムが、思春期の反抗と無邪気さの死のメタファーとして魔女裁判を使った曲を駆り立てる。

▼キーとなる歌詞▼
‘Question yourself, you may learn / You are the witch, you must burn’
(自分自身を問えば、お前は学ぶかもしれない/お前は魔女、焼かれなくてはならない)

 

6.「Lux Æterna/ルクス・エテルナ」
 “祝福について、いいエネルギーについて、連帯感について、君たちを感動させる音楽についての曲”というのが、NWOBHMの響きが聴こえる本アルバムの1stシングルについてのラーズ・ウルリッヒの描写。間違いなく高揚感があり、その意味でほかの曲とは異なる。

▼キーとなる歌詞▼
‘Amplification lightning the nation / Never alive more than right here tonight’
(アンプリフィケイション、ライトニング・ザ・ネイション/今夜、ここでほど生き生きとしていたことはない)

 

7.「Crown of Barbed Wire/クラウン・オブ・バーブド・ワイアー」
 崩壊した自分の王国を見渡している失意の王を、ジェイムズが生き生きと描写する、より具体化された不安。それは、ぎこちなく刺々しい音楽に乗せた思春期の苦痛だ。

▼キーとなる歌詞▼
‘This rusted empire I own / Bleed as I rust on this throne’
(俺が所有するこの錆びついた帝国/俺がこの玉座で錆びゆくとき、血を流せ)

 

8.「Chasing Light/チェイシング・ライト」
 ラーズ・ウルリッヒのドラミングが『72シーズンズ』の大部分を引っ張るが、ここほどそれが顕著な部分はない。コール&レスポンス形式のサビでは、メタリカのスタジオ・アルバムで初めて歌うロバート・トゥルヒーヨをフィーチャー。

▼キーとなる歌詞▼
‘Catch your fall / Lean on me / End it all / Lean on me’
(お前の転落を受け止めろ/俺を頼れ/それをすべて終わらせろ/俺を頼れ)

 

9.「If Darkness Had a Son/イフ・ダークネス・ハド・ア・サン」
 誘惑へのほのめかしがあることから、これをジェイムズが“自分に潜む悪魔に話しかけている”と理解しないほうが難しい……そうかもしれないし、そうではないかもしれない。だが、この容赦ないグルーヴとラーズによる休むことのないドラムの弾幕については、議論の余地はないだろう。

▼キーとなる歌詞▼
‘If darkness had a son, here am I’
(もし暗闇に息子がいるなら、ここにいる)

 

10.「Too Far Gone?/トゥー・ファー・ゴーン?」
 『72シーズンズ 』はそのメロディックな宝を容易に放棄したわけではなく、その最も記憶に残るもののひとつが、アルバムで2番目に短いこの曲(4分34秒)に埋もれている。本「トゥー・ファー・ゴーン?」には、混乱させるような、しかし大いに歓迎されるべき突然のギア・チェンジがある。

▼キーとなる歌詞▼
‘Am I too far gone to save? / Help me make it through the day’
(俺は救うために行きすぎたのか?/一日中それを成し遂げる手伝いをしてくれ)

 

11.「Room of Mirrors/ルーム・オブ・ミラーズ 」
 アルバムの最後から2曲目のターボ・チャージャー付きリフのフックには、「ディスポーザブル・ヒーローズ」の’You will die when I say, you must die’(俺が命じたときお前は死ぬだろう、死ななくてはならない)の余韻がある。そしてジェイムズがあるところで’broken, beat and scarred’(打ちひしがれヘトヘト、そして傷ついて)と、『デス・マグネティック』の楽曲を参照するが、音楽的、そして歌詞的に、これはアルバムが持つ感情の多様性を反映している。

▼キーとなる歌詞▼
‘Strip away the phantom fame / Exposing all the sides to see / The good and bad in me’
(見かけ倒しの名声を剥ぎ取れ/すべての側面を曝け出し/自分のなかの善も悪も)

 

12.「Inamorata/イナモラータ」
 「イナモラータ」は、11分に渡るアルバムのクロージング・トラック。途中突然ブレイク・ダウンし、そしてまたもとに戻ってくる思わしげな叙事詩。これ以前の、感情的で過酷な試練とも言えた11曲のあとに、本曲とアルバムは待ち望まれたかすかな光の上で終わる。

▼キーとなる歌詞▼
‘Misery / She’s not what I’m living for’
(惨めさ/俺の生きる目的は彼女<※惨めさ>じゃない)

 

◎ラーズ&ロバートの最新インタビューも近日公開予定! お楽しみに!

 

 
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