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METAL HAMMER JAPAN 編集部ブログ

mayu&SAKI/NEMOPHILA【『METAL HAMMER JAPAN Vol.8』より】

Blooms...The 1st Impact ! 

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 あなたはNEMOPHILA(ネモフィラ)というバンドをご存知だろうか?
 “Mary’s BloodのSAKIが新たに参加したバンド”、“YouTubeでさまざまな楽曲を披露しているバンド”……どれもそのとおりであるが、最も適切なのは“それまでにない個性を持った、真正のラウド・メタル・バンド”なのではないだろうか。女性のみのグループではあるが、そのサウンドに男女の隔たりなどなく、多くの人はその激音に魅了されていることだろう。
 そんな彼女たちのラウド・サウンドの詰まった1stフル・アルバム『REVIVE』が、いよいよ解き放たれる。そこで今回の特集では、同作にたどり着くまでのストーリーを、mayuとSAKIの言葉からたどっていきたい。加えて葉月、ハラグチサン、むらたたむの個別インタビューにて、バンドの個性をより深く探っていく。
 NEMOPHILAは、今まさに花開こうとしている!

 

 

ワガママでもいいから好きな人に声をかけたら
まさか全部がかなっちゃたという感じなんです。
>mayu


 2019年、肌寒さもすっかり落ち着き、朗らかな陽気が街を包んだ5月、しかし22歳となったmayuは、それまでとは違う新しい音楽活動を思い描いていた。もっと自分の好きな、ラウドな音像を求めていたのだった。

mayu もともとバンドをやっていたんですけど、その頃は“自分の好きなスタイルで、もっとやりたいことができればな”という気持ちのまま活動をしていました。ラウド系をやりたいと思っていたんですけど、今のままじゃ難しいなと思って……それでそのバンドを辞めたんです。

 ただ、mayuにはこのままバンド活動自体を辞めてしまう選択肢はなく、彼女は自分の理想を具現化するプロジェクトをスタートさせようと考えた。それこそ、その後NEMOPHILAとなるメンバーが集まるきっかけとなるものだ。

mayu もしバンドをやるなら、みんな女の子がいいなとは思っていて。それで私は専門学校の同級生だったハラちゃん(ハラグチサン/b)を誘いました。でも葉月(g)さんは以前会っただけで喋ったことはなかったし、たむさん(むらたたむ/d)とちゃっきーさん(SAKI/g)は全然面識がなくて……そもそも手の届く存在だとは思っていなかったんです。それでも“ワガママでもいいから”と好きな人に声をかけてもらったら、まさかの全部叶ってしまったという感じなんです。

 mayuが言うように、それまで接点はなく、知人を通じて連絡を受け取ったSAKI。当初はメンバーとしてのオファーではなかったという。

SAKI “バンドを始めたい”という連絡があったんですけど、そのときはメンバーではなくプロデューサー的な立ち位置で入ってもらえないかという話でした。ただいろいろと話をしているうちに、プロデューサーよりもメンバーとして入れたらいいのかな、と思うようになって。そこからmayuちゃんとハラグチサンと一緒にスタジオに入ったんですけど、やっぱりツイン・ギターがいいかなと。それで葉月ちゃんが集まって、セッションから始めたんですね。

 ご存知のように、SAKIはMary's Bloodを始め、さまざまなバンド〜プロジェクトで活躍している。さらに活動の幅を広げることに、ある種の躊躇はなかったのだろうか?

SAKI やっぱり普段はMary's Bloodで活動しているんですけど、mayuちゃんのヴォーカル・スタイルはEYE(Mary's Blood/vo)ちゃんとは違うし、純粋に一緒にやれたらおもしろいかなと思いました。海外ではバンドをかけ持ちしている人もいっぱいいるし、音楽的に同じことをやってるわけでもないので問題はないかなと思って。

 そしてmayuが以前のバンドを離れてから3 ヵ月、彼女を軸として集まったこのメンバーでのセッションは8月にスタートし、翌9月には“バンド”としての活動が始まっていった。
 はやりバンドが始動したのであれば、その次にすることはグループ名を考えることだ。グループ名がついて、初めてその集団は“バンド”となるのである!

SAKI スタジオでホワイトボードを借りて、みんなでいっぱい書いたんですよ。日本語っぽいのにしようかって話もあったんですけど、mayuちゃんが“メンバーみんな女子だから、お花の名前にしよう”って言ってくれて。みんなで検索しているうちに、“ネモフィラをアルファベットの大文字で書くと、ちょっとメタルっぽくなるね”って。

mayu 書き方が完全にメタリカのロゴでした(笑)。私がネモフィラの花のことを知ったばかりで、[国営ひたち海浜公園]で有名になり始めている頃でもあって。ちゃっきーさんが“爽籟”という案を出してくれたんですけど、“爽やか”な印象を持つネモフィラと爽やかな秋風(=爽籟)がつながったこともあって決まりました。

 かくして実にメタル的な厳しい字面と、実は小さく可憐な花であるというギャップを持った“NEMOPHILA”というバンドが誕生した。なお、公式サイトにある“地獄のゆるふわバンド”というキャッチ・コピーはむらたたむの発案。“地獄のゆるふわバンドポジティブ系バキバキサウンドで笑顔をお届け”を短くしたものだそう(笑)。
 現在はSAKIの弟君がデザインした家紋風のロゴとデス・メタル風のロゴが、彼女たちのアイコンのひとつとしてさまざまな場所に刻まれている。ただし、もちろん音楽性としては和風を強調しているわけでも、デス・メタルに特化しているわけでもない。

mayu 私のやりたい音楽もありますが、みんなの好きなジャンルはそれぞれ違ってもいます。ただ、総じて激しいものはみんな好きだなと思いました。だからそれこそ最初はカバーをやってみたりして、激しいなかでも“こういうの得意なんだね”ということをメンバー内で見つけていったというのが一番近いと思います。

SAKI とりあえず好きなものや、やりたい曲を言おうということになりました。スリップノットとかフー・ファイターズとか、たむちゃんはオーペスが好きだったり。そういうのを全部並べていって、「明日なき戦い」とかお客さんも知っていてノリやすい曲をカバーしていったという感じですね。

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◎続きは『METAL HAMMER JAPAN Vol.8』でどうぞ

 

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◎mayu&SAKI両面ポスター付録付き!

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