KEEPING OURSELVES TOWARD THE METAL!
Maryらしいメタルを詰め込んだセルフ・タイトル作が完成
Mary’s Bloodの6枚目となるスタジオ・フルレングス作は、その名も『Mary’s Blood』。
セルフ・タイトル作というだけでも期待は募るばかりだが、EYEとRIOの“Maryらしいメタルを”という言葉から、その期待は確信へと変わる。
つまり本作は、現在の彼女たちそのものと言えるほど純なメタル・アルバムになったということだ。
当コロナ禍においても立ち止まらず、行き着いた先にある進化のメタル・サウンドがここに!
自分が歌うための音でもあるので、自分がいいと思うほうがいい。
>EYE
―今回はヴォーカリストとベーシストという対談ですが、この組み合わせは珍しいものですか?
EYE 頻繁にはないですね。
RIO たまにあるくらいで、8回に1回くらいかな。仲はいいんですけど!
EYE プライベートでは、一緒にバレーを観ることもあったりして。
―なんと、意外にもスポーツ観戦が共通の趣味でしたか。
EYE 私はルールもよくわからない感じなんですけど、RIOちゃんの熱量がめちゃくちゃスゴくて、引っ張られていくうちに楽しくなって一緒に観てますね。
RIO 学生時代バレー部だったので、今でも大好きなんです。あと、私たちは美容室が一緒で。
EYE そうなんですよ。今回私は新作のタイミングで青髪にしたんですけど、ここまで濃い色を入れたのは初めてで。根元からガッツリ色を入れたかったので、RIOちゃんに“どこかいい美容室ない?”って聞いて。
RIO 美容院を紹介したら、私が行った日とたまたま同じで。隣でずっとブリーチをしてたよね。私のほうがあとから入ったのに、先に帰りましたから(笑)。
―バンド・メンバーという視点で見た場合の、パート以外での役割というと?
RIO EYEちゃんはミキサーがいじれるので、音のバランスはけっこう細かくやってくれますね。うちのバンドは同期が多いので、音のバランスがけっこうシビアなんです。自分たちでのリハのときは、それを彼女がやってくれたり。
EYE 同期の操作自体はドラムのMARIがやっているんですけど、ミキサー卓側でのレベルを私が見て“何デシ上げて、下げて”と伝えて調整して。みんなは楽器を弾いているから“聴くのは私しかいないじゃん”とやってるうちに覚えてきたんですよね。最近は“右側のギターのオブリだけちょっと上げて”とか、細かいところまでいけるようになってきて。
RIO “ここのドン!の音だけヌケるよね”とか。音源だと馴染んじゃうんですけど、ライヴだとどうしても目立ってきてしまうので。
EYE ちゃんと教わったわけじゃないので、正しくできているかどうかわからないんですけど(笑)。でも自分が歌うための音でもあるので、誰がいいというよりかは自分がいいと思うほうがいいんでしょうね。
―むしろ、それこそが正解である気がします。RIOさんはというと?
EYE RIOは“かけ声系”のコーラスをやってくれるんですけど、もともとバレー部で腹筋がしっかりしてるんで、声がすごく通るんです。だから声もヴォリュームを下げるんじゃなくて、EQでいいところだけをちょっと下げるみたいな。
―部活で鍛えた発声という(笑)。
RIO バレーだけは真面目にやっていたんで(笑)。
―ここ1 年以上、どのバンドもライヴができなくなったという大きな変化はありましたが、そのほかの音楽的活動となると、さほど変わらなかったというミュージシャンも少なくないようです。Mary’s Blood の場合はどうでしたか?
RIO 確かにライヴという面では悔しい思いもたくさんしたんですけど、何かが大きく変わったかというと、実はそうでもないのかなとも思っています。
EYE 私生活的には変わってないよね。強いて言えば、お客さんが目の前にいない状態での配信ライヴは、慣れていないことへのチャレンジではありました。“オープニングとエンディングには映像がいるんだ”とか“ライヴの登場SEと配信される方のオープニング映像をシンクロさせるにはどうしたらいいのか”とか、映像関係の勉強をし始めたりスタッフさんと話し合ったり、今までにない経験はしましたよね。
―作曲作業や楽器を触る時間が増えたということは?
RIO それも確かにありましたね。ベーシストでもギターがわからないとちょっと不便だなと思って、ギターの練習もし始めたり。あと、三味線も今年始めたんですよ。
―おぉ、なにゆえ三味線!?
RIO 単純に私が青森県出身なんで。
―やはり、青森県人としては三味線が弾けないとダメであると。
RIO ベーシストとしてやらないといけないのはギターで、青森県民としてやらないといけないのは三味線……という私の使命感ですね(笑)。
―メンバー間でのコンタクトに不便はありませんでしたか?
RIO うちのバンドって10年ぐらいやってきたので、普段から頻繁にコンタクトを取るような感じではないんです。だから特に不便はなかった気もしますけど、セットリストとか直接会わないと決めずらいこともあって、そこは不便だったかなとは。
―作曲や編曲ということではどうでしょう? “スタジオで合わせて”というバンドもいれば、“データのキャッチボールで”というバンドもいますよね。
EYE ここ最近はデータでやりとりをしていたので、そんなに変わらないかな。例えばベースもMIDIで先に打ち込んでくれているので、こっちでも“もうちょっとこうがいいな”と操作して戻すという方法で意思の疎通が取れていたので。
―ではおおむね支障はなく?
EYE 細かいところ……ドラムのフィルやギターの言葉では伝えづらいニュアンスとかは、スタジオであれやこれや試せたらもっと早く答えが出せたんだろうな、とは思ったりしましたけど。でもなんだかんだ長くやっていると“あのアーティストのこんな感じで”で大体組み取ってもらえるので、そこまでしんどくはないです。
◎続きは『METAL HAMMER JAPAN Vol.7』でどうぞ
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『Mary's Blood』
徳間ジャパン/TKCA-74965