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《スペシャル・インタビュー》ケリー・キング【『METAL HAMMER JAPAN Vol.13』より】

ケリー・キングは、今後の活動に向けウォームアップの真っ最中!?

 スレイヤーが活動を終えて早3年半。その中心人物のひとりケリー・キングは、今後の活動に向けウォームアップをしている最中だ。そんな彼が、スラッシュ黎明期の思い出、スレイヤー最後のショウ、そして愛蛇について豪快に語る!

Interpretation by Tommy Morly

 

俺とデイヴはお互いのことを気に入り、
似たような音楽も気に入っていた。

 活動を終了したLAのスラッシュ・レジェンド、スレイヤーの創設メンバーにして最も目立ってきたギタリストであるケリー・キングは、38年間に渡ってメスのように鋭いリフを刻み続けてきた。ビッグ4のなかでも最も悪名高き存在として、バンドは卓越したスピードと強烈さを見せつけ、1986年発表のクラシックと呼ぶべきアルバム『レイン・イン・ブラッド』はスラッシュにおける金字塔となっている。現代のエクストリーム・メタルのすべてにおいて、このアルバムの影響を感じざるを得ない。
 2018年からの最後のツアーをもって活動を終了させるという発表は大きなサプライズとなり、それ以降ケリーは一切の沈黙を保ってきた。しかし我々は彼がいつの日かソロ・プロジェクトに着手するという情報も得ていた。ケリーの口からは“俺の作品を知っているなら、どんなサウンドになるのかなんてわかっているだろ”と、ヘヴィなものになるとだけ示唆されていた。そして具体的な作品の見通しについて尋ねても、笑顔で濁されるだけだった。
 しかしスレイヤー終焉から相当な時間が経過したことから、彼が過ごしてきたあのアメイジングな年月の記憶について尋ねてみたところ“今、俺が確実に持っているもののひとつは時間なんだ。だからこうやって音楽を作りに戻って来られるのはいいことさ”と語ってくれた。
 若かりし頃、スラッシュ黎明期、スレイヤーが終わろうとしていた最後のツアーでの感情、蛇への愛、そしてサム41……と、ケリー・キングは実に荒々しい道のりを歩んできたのだった。

 

—幼い頃の、最も古い記憶を教えてください。
 俺は、ロサンゼルスから南東に20分くらい行ったところに住んでいた。近隣の地域はクソみてぇな場所だったし、俺らが住んでいたところはサイコーな場所とは程遠かったけど、そんなことは気にも留めなかったよ。
 野球を始めとしたスポーツをしていて、それなりに普通の暮らしだったと思うね。ただこれはまだ俺が音楽を始める前の話だけどさ。

 

—音楽に初めて触れたのはいつ頃でしたか?
 俺にはふたりの姉妹がいて、いつも一緒にラジオを聴いていた。俺にはヘヴィ・ミュージックを聴かせてくれる兄貴はおらず、代わりに彼女たちと同じものを何でも聴いていたよ。だからラジオからヘヴィなものを聴くことは一切なかったな。でも当時、一日中ヴァン・ヘイレンを流すようなロックのチャンネルはあったね。

 

—最初に組んだバンドについて教えてください。
 バカなバンドだったよ。クイッツ(Quits)っていう名前で……俺が名づけたわけじゃないけどさ。俺のギターの先生がそのバンドでプレイしていて、俺をそのバンドのもうひとりのギター・プレイヤーにさせたんだ。
 ギターのレッスンを受けに行ったとき、“一体何を学びたいのか?”と聞かれ、何も質問することがなかった俺に“こういうのがあるんだ”という感じで自分のバンドの楽曲を薦めてくれたのさ。俺はまだ若かったので、酒を呑むためじゃなくて、クラブでプレイするために偽のIDカードを作って持っていたんだ。

 

—最初のライヴを覚えていますか?
 あぁ、あれは最低だったね(笑)! 俺がスレイヤー以外に組んだ唯一のバンドだった。1〜2曲を除いて基本的にカバー曲をプレイしていて、俺が書いたものは1曲もなかったよ。俺らは数回のライヴをしたけど、あのバンドは一切のポテンシャルがなかった。
 解散してしまったけど、その時点で俺はメイデン、プリースト、ディープ・パープルといったものをプレイしたいとハッキリとわかっていたから。

 

—では、スレイヤーはそのあとすぐに組むことになったんですね?
 そうだな、俺は新たなバンドに参加するためにいくつかのオーディションに行ったが、心にグッときたバンドは何ひとつなかった。でも俺が参加したオーディションのひとつでは、(ジェフ)ハンネマンが俺を審査していたんだ。自分のオーディションが終わったら帰るところだったけど、アイツが弾いていたギターのフレーズのすべてが気に入ってしばらく喋り、そして“ヘイ、俺と一緒にやらないか?”と言ったのさ。
 当時俺はすでにデイヴ(ロンバード)を見つけていた。彼は角を曲がったすぐのところに住んでいて、ピザのデリバリーをやっていたんだ。ジェフは“お前はギターをたくさん持っているとかいうガキだっけ?”と言ってきたんで“……数本なら持っているぜ”と答えたら上手くいったんだよな。それからすぐにデイヴの家のガレージで一緒にプレイするようになったよ。静かにね(笑)!
 俺らはお互いのことを気に入り、似たような音楽も気に入っていた。そしてトム(アラヤ)の電話番号を手に入れ、“このシンガーを知っているぞ”となり、トムのガレージに集まってすべてが始まったんだ。

 

◎続きは『METAL HAMMER JAPAN Vol.13』 でどうぞ

 

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